オンラインゲーム殺人事件再びっ3章_2

相手はウォーリア。
試合開始と共に距離を詰めようと走ってくる相手に一気に氷系の魔法を唱えるカオル。

ピキ~ンと一瞬足元が凍る。
その間にタタ~っとカオルはまた一気に距離を取って、さらに氷系の魔法。

詠唱中にまた相手は走ってくるが、カオルに辿り着くまでに詠唱中の魔法が着弾。
また足元が凍ってその間に距離を取るカオル。

その繰り返しで、結局無傷で圧勝。


なるほど…殴られたら終わるウィザードが勝てたのってこういう事なのか、と、感心するギルベルトに

≪ウィザードソロだとこんな感じの戦闘なんだよっ。
俺はそのために氷魔法の効果上げる装備だけは充実させてる。
ま、それでなんとか同格以下だとかなりの確率で凍ってくれるけど、格上だとそれでも凍ってくれる率低いし、経験値稼ぎは素直にパーティ入った方がいいけどねw≫
と、カオルが言う。

同格以下だと凍るということは…今Lvキャップが20で16以上のコースといっても今残ってるのは全員Lv20なわけだから、これカオルが優勝なんじゃない?と、フランは色々な意味でホッとする。

トーニョも第一戦はウォーリア相手に圧勝して次は準決勝。
エドァルドも残ってる。

そして次もベルセルク相手に例の戦法でカオルが勝った。



そして準決勝第二戦。

≪絶対勝てよっ!トーニョ!ま、負けても俺が勝つからいいけどっww≫
トーニョvsエドァルド戦でカオルがエールを送る。

≪ま、あ~ちゃんがウィング可愛えって言うんやったら手に入れてやるんが甲斐性ってもんやろ≫
トーニョは言ってゆっくりと大剣を手に立ち上がった。




≪ほ~固いなっ、さすがガーディアンてとこやな≫
戦闘が始まってエドァルドに斬りつけたトーニョの第一声。

≪ディフェンス使う事も覚えたんやな、こいつ≫
≪何?前は使ってなかったん?≫
≪ああ、前は盾のくせにタゲ取れないはHPスポンジだわっていうどうしようもない奴やったわ≫
≪えーw≫

のんきに雑談してるとこみると、一見膠着状態に見えるがまだトーニョは余裕あるらしい。

≪トーニョ、どうでもいいけど早く片つけてよw俺暇なんだけど?ww≫
≪自分はちょっとは我慢を学び?≫
≪むりっw≫
≪…ったく…≫

そこで膠着状態っぽかった戦闘が一気に動き出した。

何故かエドァルドのHPが急にガンガンへって行く。

トーニョのHPも減ってるが、減りの早さが全く違う。
何が起こってるのか全くわからないフランにギルベルトが解説する。

≪攻撃仕様装備に着替えてバーサク使い始めたな。
防御は通常の半分って事は、基準値の4分の1になるが、攻撃はジョブ&オフェンス&バーサクで基準値の8倍、さらに攻撃装備だから…。
ま、防御が低い分削られるが、相手は所詮ガーディアンだから攻撃2分の1だしな。
盾役だからって馬鹿みたいに防御ガチガチで攻撃装備用意してないガーディアンじゃ本気で攻撃に入ったベル相手に勝ち目はないぜ≫

そう…なのかぁ…と感心するフラン。

トーニョ圧勝で会場からは悲鳴と歓声。





「とうとう決勝となったわけですが…ギルド内対決ですねっ!」

決勝はトーニョvsカオル。
ギルドが一気に有名になりそうだ。

≪あの戦法取られると…勝つのカオルだよね…≫
つぶやくフラン。盛り上がる会場。

周りの雑音で、すごい勢いでログが流れて行く。

≪ん~、俺はトーニョが勝つと思うぞ≫
と、ギルベルトは答えた。

≪ま、どっちが勝っても姫様にウィングプレゼントだねっ≫
と、カオル。


≪んじゃ、お互い手加減なしでっ!(^o^)≫

戦闘に入るとやっぱり氷系魔法を唱え始めるカオル。

一気に距離を詰めようと走るトーニョ。
しかし肉薄する前に氷魔法が着弾した……が……

え?

HPは3分の1ほど減るがトーニョの歩は止まらない。
そして呆然と立ちすくむカオルを一刀両断。

なんでぇ???

勝負がついてもまだぽか~んとしてるカオルにトーニョはきっぱり

氷耐性装備。基本やん≫

うあああ~~そんな物持ってやがったかぁ~!!

≪そりゃ…普段盾やしな。俺が凍ってヘイト稼げへんかったらあーちゃんにタゲ行くやん≫

≪なるほど…。
今回の大会はほぼアタッカー中心だからそんなもんまで備えてねえけど、ちゃんとした盾ならまあ必須だよな≫

と、ギルベルトがうなづくが、一般的には盾でもそこまできちんと揃えて持ち歩いている盾にはあまりお目にかかった事がないと、野良を渡り歩いたフランは思う。



結局…こうしてトーニョが優勝。

司会がでてきて祝いの言葉と共にカオルの健闘も讃え、それぞれ一言を求める。

それに対してカオルはおおげさに肩を落とすと

「忘れてました…。こいつ普段盾役なわけですよ…。
ええ、ええ、俺がいくら全開で行こうとタゲピクリとも寄越さない鉄壁の盾で……。
当然そんな奴だから氷耐性装備なんてのをですね、当たり前に持ってやがって……」
と言って、がっくりと膝をついた。

笑いに包まれる会場。
最初から最後までこの調子のカオルはすっかり会場の人気者に。

こうしてイベントが終わったわけなのだが、終わった後の方がすごい事に…。
カオルとトーニョがフレカ交換求めてきたりするプレイヤー達に囲まれるのはいいとして…アリスまで時の人に。

「トーニョ、どうしよう?」
基本人見知りだが友人は欲しいアーサーでもさすがに困ったように助けを求める。

アントーニョはそれに対して即いったん自分のキャラ放置でアーサーのPCで

「ごめんなさいっ!(>_<)」
と打ち込んで即ログアウトさせ、自分のPCに戻ると

「今日はちょぉ落ちるわ。堪忍な~」
と同じく即ログアウトする。



そのうち同じギルド名背負ってるせいかギルベルトとフランの周りもちょっと怪しい雰囲気に。
そこで二人もカオルに対応を伝えたあと、その場で即落ちして、内線でアントーニョにその旨を伝えた。

こうしてアリスのエンジェルウィング取得作戦は無事(?)幕を下ろしたのだった。


Before <<<     >>> Next


0 件のコメント :

コメントを投稿