オンラインゲーム殺人事件再びっ4章_10

「あれ…ホントの事なのか?兄さん…全然そんな事言ってなかった…」

一方部屋に戻ったアーサーは下ろされたままのベッドでペタンと座り込んで、ポロポロ涙をこぼした。

忙しくて滅多に会えないとは言え、両親亡き後たった一人の肉親だ。

「俺…一人になるのかな…」
悲しいとかより怖い。

自分で自分の身を抱え込むようにつぶやくアーサーを、
「ならへんよ」
と、隣に座ったアントーニョはぎゅっと抱きしめた。

「大丈夫やで。俺がずっとついとるから。
あーちゃんはなんも心配せんでええ。
嫌な事、つらい事は全部俺が引き受けたる。
どんな事からも守ったるから、安心し?」

頭を抱え込んで自分の肩に押しつけ、ぴょんぴょん跳ねた金色の綿毛のように柔らかい髪に顔をうずめると、ふんわりと甘いバラの香りが鼻腔をくすぐる。


「とりあえずな、こうしよう。
カオル達の話がホントなんやったらまずローマ爺のとこ行って身の安全確保した後、あーちゃんの兄ちゃんのとこ挨拶行こうな。
で、俺ちゃんとこれからあーちゃんの事守ります、あーちゃんと一緒にいさせたって下さいって挨拶するから。
そしたらもう一緒に暮らしたったらええやん。
今も半分くらいは一緒におるけど、もうずっと一緒に暮らそ?
で、兄ちゃんのお見舞いとかも一緒に行って…まあ嫌みくらいは言われるかもしれんけど、そのあたりはあーちゃんの事めっちゃ大事にするんで堪忍したって下さいって事で…」

「でも…トーニョは自分の家族いるだろ…」
顔を押し付けられたアントーニョの肩を濡らしながらそういうアーサーの髪をアントーニョは優しくなでながら、

「ん~、うちは放任やさかいな~。
去年はちょお母ちゃんが忙しかったから俺も家いるようにしとったけど、今年からは家におる時間多くなるらしいから、俺おらんでも大丈夫や。
てか…最近部屋使うてへんから、今俺の部屋みんなの倉庫らしいし。
男は勝手に家出てくもんて思うてるから、それがちょぃ早まるだけの話や。」
と、語る。

「俺は頑丈やさかい、ちゃぁんとあーちゃん最期まで看取ったるから、一人になんかさせへんから安心し。大丈夫やで。大丈夫や」

ポンポンとあやすように背中を軽く叩きながら大丈夫と繰り返されるうち少し落ち着いたのか泣き疲れたのか、いつも眠い時によくやるように触れた肩先に額をコシコシすりつけるアーサーにアントーニョは少し笑って、そのまま横たわらせて布団をかけ、添い寝をしながらポンポンとまた軽くたたいてやる。

そうしているうちにアーサーが本当に寝てしまった事を確認すると、アントーニョは
「さて、とりあえず確認しとかなあかんなぁ…」
と、自分の携帯を取り出した。


 Before <<<       >>> Next


0 件のコメント :

コメントを投稿