ローズ・プリンス・オペラ・スクール第七章_8

見物人の雑談大会


――兄貴…ストイックだよな……。
――方向性が3人の中で1人違うっつ~か…
――最近他二人が対にベタベタだから、1人クールでかっけ~よ。

――う~ん…でもアントーニョ先輩はまだ俺的には許せる。姫を一生懸命お守りしてんのはあれはあれで絵になる。
――あ~、うん、それは言えるな。
――姫可愛いよな。ま、高嶺の花だけど。
――ちょっかいかけたらアントーニョ先輩に殺されっから。
――俺でもお前みたいなのが姫の側とかいたらムカツクわw
――ひでえw
――あれはほら、アントーニョ先輩みてえにイケメンだから良いんだって。
――うん、もうあの二人は末永くお幸せにっつ~感じだよな。というわけで俺フェリちゃんでいいわ。
――何いってんだ!フェリちゃんは俺の嫁!
――お前こそ何いってんだ!フェリちゃんはもう前世から俺の嫁って決まってんだよっ!
――兄貴も対見つけたらベタベタになっちまうのかな。
――あ~、それやだ。兄貴はあのままストイックで居て欲しい。
――だよな、兄貴は一生1人でいいっ
――それ可哀想じゃね?w
――兄貴まで対にべったりになったら皆可哀想になるってw

――あのさ…一番可哀想なのって……

――……?(一同)

――ゴツい対持ったばかりに話題にあがんねえフラン先輩じゃね?ww
――おぉ~~!!(一同同意)


(まあ…フランシス先輩って楽しげに餌付けしてる上に同情されこそすれ妬まれないで平和なわけですし……実は一番幸せなのかもしれませんけどね…)

いつの頃からか戦闘のない夜にギルベルトが1人(実はルッツと)鍛錬をしている現場をそ~っと遠くから双眼鏡で見物する、その名も【1人楽しいギルベルト先輩をソっと影で見守る会】。

今ではそれぞれ音の出ないお菓子まで持ちよって雑談するサークルじみたものになってきている。

そんな中に混じってゆっくり茶をすする菊。

のちに有名な作家になる彼の才能を開花させたのは、おそらくこの特殊な学園の環境と、そのなかでこうして率直なところを言葉に乗せて雑談に興じる生徒達だったのかもしれない。


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