ローズ・プリンス・オペラ・スクール第四章_4

激しく…でも優しく求められて、痛さも怖さもほぼ感じるまもなく、ただ気持よくてそんな自分が恥ずかしくて、でも最終的にはわけがわからなくなって何度ものぼりつめて…それと同じくらい何度も熱いものを注がれる。

どのくらいそれを繰り返していたのか、どのくらいの時間そうしていたのかも全くわからず、もう掠れきった声で最後に弱々しい悲鳴をあげたあと、ぷつりと意識が途切れた。



劇の練習をしていたのは確か朝食後で…意識が戻った時には暗い室内でランプの灯りが灯っていた。

炎に照らされてオレンジがかった端正な顔が、目があった瞬間ほぅっと緊張がとけたように緩む。

――良かったわ…抱き潰してしもたかと思った……。

心底ホッとした声。

――…堪忍な。アーティ可愛すぎて理性飛んでもうて…ちょっとやりすぎてもうたな。

静かで穏やかな声と共に大きな温かい手がゆっくりと頬を撫でる。
さきほどまでの激しさが嘘のように緩やかな時間の流れ。

――身体…大丈夫か?痛ない?
――よく…わからない…。

事情が今ひとつ飲み込めない…。
なんでこんなことになっているのだろう……。

――会って三日目でここまでしてもうたけど…いい加減な気持ちちゃうからな?
ホンマ絶対にずっと大事にしたるから…


ずっとって……もう嫌になったんじゃなかったんだろうか……あれ?
アーサーは心の中で首をかしげた。

――…トーニョ…
――ん?
――…嫌に…なってないか?…俺のこと……

――なるわけないやん!
アーサーの言葉に少し声を荒げ、それからアントーニョは形の良い眉を少し寄せると

――親分…もうどうしようもないくらいお姫さんに夢中やで?どないしよ?
と、小さく笑った。



それから二日後…二人きりの3日間が過ぎたあと、教室で友人達にそれから3日間…何をしていたのか?と聞かれてもとても答えられないような事になるなんて事は、アーサーもこの時はまだ知らなかった。




そして…その後なぜか上手に事情を聞き出された菊に

「アーサーさん…アントーニョさんの我慢が出来ない…は、嫌気がさしたという意味ではなく、その真逆の意味だったんだと思いますよ…」

と、教えられる事になるということも……


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