オンラインゲーム殺人事件_ユート_2章

キャラクタ作成 (初日)


ネットゲーはぶっちゃけ初めてじゃない。
ダチのつきあいでアイテム課金制のネットゲーを少しだけ…課金しなくてもつらくない程度の所までやったことはある。

まあ…始まっちゃうとあれってなかなか画面から離れられないから、なんかつまむもんでも買ってくるかと、俺がコンビニ行くため靴はいてると奥から
「悠人~、コンビニ行くならプリン買ってきてよ、プリン」
と姉貴の声。
あの野郎、絶対に俺が動くの待ち構えていやがったな。
外では優しく人当たりの良い気遣いの人として通ってる姉貴。うちでは暴君。
もう裏表ありまくりで…俺が女がいまいち信用できずに積極的になれない諸悪の根源。
「あとで利子つけてプリン代返せよ!」
とだけ声をかけて俺は暗くなった道路をチャリでコンビニまで疾走した。

コーラと厚切りのポテチと…姉貴のプリン。
それだけ買って大急ぎでまた家に戻る。
20時にまにあわね~!!
「あとで絶対金かえせよっ!!」
とだけ言って、大急ぎでプリンを渡すと、俺は自分の部屋にかけこんだ。
あわててソフトを立ち上げる。
そして立ち上がるジョブ選択画面。

さて、ジョブどうするかな~。
どうせ魔王倒すまでなんてやらんし、ある程度ソロできりゃいっか~。
ということで無難にウォーリア…ポチっと……
”そのジョブの受付は終了しました”

あっちゃ~、そいえば1ジョブ二人までだっけ。
んじゃ、ベルセルクか…ポチっ
”そのジョブの受付は終了しました”

うあ…もしかして…めぼしいのはみんな埋まってたり?
その後とりあえずソロいけそうなアーチャーとかウィザードとか選択してみたけどだめ。
もう…ポテチ買ってるばあいじゃなかったか…。

あと残ってるのはプリースト…もだめ。

ってことは…これで5ジョブ10名埋まってる事になるから、残りシーフとエンチャンタ。
全部で12名って事は俺と@1名。
もう一人がどちらを選んでるにしても、もう人数制限にひっかかる事はない。
ゆっくり考えるか~。

どちらも攻防共に微妙なジョブ。
ソロは諦めた方がよさげだな。
となるとパーティーに入りやすいのは…まあ回避だけ高いシーフよりは支援系のエンチャンタだよな。

エンチャンタ…決定。ポチっと。

そして目の前には黒い画面に白い文字でデカデカと…
”あなたのジョブはエンチャンタに確定しました”

まあなんていうか…どこをどうやっても脇役っぽいのが俺らしいよな…。

ということで次へをクリック。

すると黒い画面が一転してブティックの試着室のような部屋の画面へ。
中にはまだ何も決まってないためマネキンのようなキャラがたっている。

性別は…男。
まあ女選んだ方が便利そうではあるけど、もしかしたら気が合う奴できてリアルで会おうとかいう話にならないとも限らんし、その時にあんまり違和感与えるようなキャラは面倒だよな。
ということで容姿もなるべく自分に近づけて…。
最後に名前はやっぱり呼ぶ時に違和感ないようにユート。

ポチッと完了ボタンを押すと、画面の中の自分にちょっと似た感じのキャラクタがクルクル回って光の渦の中に消えていき、プロローグ画面になった。

舞台はイルヴィス王国。
光の神を奉るその国を滅ぼそうと闇の魔王がモンスターを送り込んできているというありがちな設定。
参加者はその国お抱えの兵で、ミッションをクリアするごとにより重要なミッションを任せられ、最終的に魔王退治を命じられるっぽい。

プロローグが終わると、真っ赤な短めのマントを羽織った自分にそっくりなキャラが街の広場にたたずんでいた。
まずは…地道に装備代でも貯めつつ仲間探しか~。
このジョブソロで真面目に経験値稼ぎしようなんてありえんもんな~。
すでに出遅れてもう誰もいなくなった街中を一通り探索したあと、俺は他の参加者の姿を求めて外へと足を踏み出した。




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